転職時の退職日は、転職先の入社日から逆算し、引き継ぎ期間・有給休暇・会社の就業規則を確認して決めるのが基本です。退職日と最終出社日は同じとは限らず、有給休暇を使う場合は最終出社日を早められます。社会保険や賞与、住民税にも関係するため、希望日を決めたら早めに勤務先の人事・総務へ確認しましょう。
転職時の退職日は入社日から逆算して決める
まず、転職先の入社日を動かせるか確認し、その日までに現在の会社との雇用契約が終了するよう退職日を設定します。通常は、転職先の入社日の前日までを現在の会社の退職日とする形が分かりやすいですが、休日や有給休暇の取得状況によって最終出社日は変わります。
たとえば、転職先の入社日が4月1日で、現在の会社で3月中に有給休暇を消化する場合、3月31日を退職日、3月中旬を最終出社日とすることがあります。
退職日を決めるときの確認順序
- 転職先の入社日を確認する
雇用契約書や採用通知書で、入社日が確定しているかを確認します。入社日が決まっていない段階で退職日を確定すると、無職の期間や入社日の重複が生じるおそれがあります。 - 現在の会社の就業規則を確認する
退職を申し出る期限、退職届の提出方法、引き継ぎのルールなどを確認します。法律上の扱いと会社の手続きが異なる場合があるため、実務上は就業規則に沿って早めに申し出るのが安全です。 - 引き継ぎに必要な期間を見積もる
担当業務、後任への説明、取引先への連絡、貸与品の返却などを書き出し、最終出社日までに完了できる日程を組みます。 - 有給休暇の残日数と取得予定を確認する
有給休暇を退職前に使う場合は、最終出社日と退職日を分けて考えます。退職日を過ぎて有給休暇を使うことはできないため、残日数と会社の申請方法を確認してください。 - 人事・総務に社会保険や税金の扱いを確認する
健康保険、厚生年金、雇用保険、住民税、源泉徴収票などの手続きや書類の受け取り時期を確認します。
退職日と最終出社日は違う
退職日は、現在の会社との雇用契約が終了する日です。一方、最終出社日は、実際に会社へ出勤する最後の日を指します。
退職日まで有給休暇を取得する場合は、最終出社日の後も在籍した状態になります。たとえば、3月15日を最終出社日、3月16日から3月31日までを有給休暇、3月31日を退職日とすることが可能です。ただし、取得できる日数や申請方法は勤務先に確認してください。
転職先の入社日が4月1日なら、現在の会社の退職日を3月31日とすることで、雇用期間が重ならない日程にできます。転職先が副業や兼業を認めている場合を除き、在籍期間が重なる日程は避けるのが無難です。
退職日を月末にするか、月末より前にするか
月末退職と月末前の退職では、社会保険料の扱いが変わることがあります。健康保険と厚生年金は、原則として退職日の翌日に資格を失います。そのため、月末日に退職する場合と、月末より前に退職する場合では、資格を失う日や保険料の計算が異なります。
ただし、転職先で同じ月に社会保険へ加入するか、退職後に国民健康保険・国民年金へ切り替えるかなどによっても扱いが変わります。保険料だけを理由に退職日を決めず、現在の会社と転職先の担当者に具体的な日付を伝えて確認してください。
退職後にすぐ転職先の社会保険へ加入しない場合は、健康保険の任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者など、次の健康保険を準備する必要があります。どの制度を利用できるかは、退職後の状況や加入条件によって異なります。
賞与を受け取ってから退職したい場合の注意点
賞与の支給日が近い場合は、支給日在籍要件があるかを確認します。賞与の支給日に在籍していることを条件としている会社では、支給日前に退職すると、支給対象外になる可能性があります。
ただし、賞与の算定期間、支給日在籍要件、退職予定者への支給の扱いは会社ごとに異なります。就業規則や賃金規程を確認し、必要であれば人事部門へ問い合わせてください。転職先の入社日を優先する必要がある場合は、賞与のために入社日を変更できるかも含めて判断します。
有給休暇を使う場合の退職日の決め方
有給休暇をすべて使いたい場合は、次の式で退職日と最終出社日の候補を考えます。
最終出社日の候補=退職日-退職前に取得する有給休暇の日数
たとえば、退職日を6月30日、有給休暇を10日取得する場合、休日を除いた勤務予定日を基準に、10日分を最終出社日より後へ配置します。土日祝日や会社休日は有給休暇の日数に通常含めないため、実際の日付は勤務カレンダーで計算してください。
業務の引き継ぎが終わらない場合は、有給休暇の取得時期を調整することもあります。有給休暇を取得する権利があっても、退職日までに申請・取得できる日数には限りがあるため、早めに上司と人事へ相談しましょう。
退職を申し出る時期はいつがよいか
期間の定めがない雇用契約では、法律上、退職の申し出から一定期間を経過すると退職できるとされています。一方、会社の就業規則で「退職希望日の1か月前まで」などの社内手続きを定めていることがあります。
法律上の期間だけを見て直前に申し出ると、引き継ぎや有給休暇の調整が難しくなることがあります。転職先の入社日が決まったら、少なくとも就業規則に定められた期限と、引き継ぎに必要な期間の長い方を目安に申し出るとよいでしょう。
契約期間が決まっている有期契約の場合は、期間の途中で退職する扱いが異なります。契約満了で退職するのか、途中で退職できるのかを契約書で確認し、自己判断で出勤を止めないようにしてください。
退職日を決めるときのチェックリスト
- 転職先の入社日は確定しているか
- 現在の会社の就業規則にある申告期限を確認したか
- 退職日と最終出社日を分けて考えたか
- 有給休暇の残日数と取得予定日を確認したか
- 引き継ぎ、取引先への連絡、貸与品の返却が間に合うか
- 賞与の支給日と支給日在籍要件を確認したか
- 退職後の健康保険と年金の手続きを確認したか
- 住民税の支払い方法と源泉徴収票の受け取り時期を確認したか
- 転職先と現在の会社の在籍期間が重ならないか
転職時の退職日は、まず転職先の入社日を起点にし、現在の会社の就業規則、引き継ぎ、有給休暇を加味して決めます。最初に入社日と希望する退職日・最終出社日の候補を整理し、現在の会社の人事・総務へ社会保険や賞与、税金の扱いを確認すると、日程を確定しやすくなります。







