転職用の職務経歴書には、これまでの勤務先、担当した業務、実績、身につけたスキル、応募先で生かせる経験を書きます。単に仕事内容を並べるのではなく、「何を担当し、どのような工夫をし、どんな結果につなげたか」が分かるようにまとめることが大切です。
職務経歴書に書く基本項目
まずは、次の項目をそろえると職務経歴書の全体を作りやすくなります。
- 職務要約
- 職務経歴
- 担当業務
- 実績・成果
- 活かせる知識・スキル
- 保有資格
- 自己PR
転職回数や応募先によっては、退職理由や志望動機を加えることもあります。ただし、職務経歴書に必ず必要な項目は応募先や提出方法によって異なるため、指定のフォーマットがある場合はそれに従います。
1. 職務要約は経験全体を短くまとめる
職務要約には、これまでの勤務年数、経験した職種、主な業務、強みを3〜5文程度で書きます。採用担当者が最初に読む部分なので、応募する職種と関係の深い経験を先に示します。
たとえば営業職であれば、次のようにまとめます。
「法人営業として5年間、既存顧客への提案と新規開拓を担当しました。顧客の課題を聞き取ったうえで提案内容を見直し、担当期間中は年間目標を継続して達成しました。顧客との関係づくりと、課題に合わせた提案を強みとしています。」
実績を示す場合は、実際に確認できる数字だけを使います。正確な数値が分からない場合は、「継続して担当した」「業務の効率化に取り組んだ」など、事実に基づいて表現します。
2. 職務経歴には勤務先と在籍期間を書く
職務経歴では、勤務先ごとに会社名、在籍期間、雇用形態、所属部署、役職などを記載します。複数の会社を経験している場合は、一般的には直近の勤務先から順に書くと、現在の経験を伝えやすくなります。
書き方の例は次のとおりです。
- 在籍期間:2021年4月〜2025年3月
- 会社名:株式会社〇〇
- 雇用形態:正社員
- 所属:営業部
- 役職:主任
- 事業内容:法人向けシステムの販売
- 従業員数:分かる場合のみ記載
会社の事業内容を書くと、同じ職種でもどのような商品や顧客を相手にしていたのかが伝わります。守秘義務がある場合は、顧客名や非公開の製品情報などを書かないようにします。
3. 担当業務は具体的な作業と範囲を書く
担当業務には、職種名だけでなく、実際に行っていた仕事の内容を書きます。「営業を担当」だけでは情報が少ないため、顧客の種類、担当範囲、扱った商品、業務の流れなどを加えます。
たとえば、次のような項目を整理します。
- 法人・個人のどちらを担当したか
- 新規開拓と既存顧客対応のどちらが中心だったか
- 担当顧客数や担当エリア
- 扱っていた商品・サービス
- 問い合わせ対応、見積作成、契約手続きなどの範囲
- 後輩指導やチーム管理の経験
- 使用したシステムやツール
事務職なら、書類作成、データ入力、電話対応、請求処理、社内調整など、日常的に担当していた業務を分けて書きます。IT職なら、担当工程、使用言語、開発環境、チーム人数、担当期間などが判断材料になります。
4. 実績・成果は行動と結果をセットで書く
実績は、数字だけでなく、課題に対して何をしたのかも書くと説得力が出ます。次の順番で整理すると、内容を作りやすくなります。
- どのような課題や目標があったか
- 自分がどのような行動をしたか
- その結果、何が変わったか
たとえば、次のように書きます。
「問い合わせ対応の手順が担当者ごとに異なっていたため、過去の対応例を整理して共有資料を作成しました。その結果、担当者間で回答内容をそろえやすくなり、新人が対応する際の確認時間を短縮できました。」
数字で示せる場合は、売上、達成率、対応件数、作業時間、ミスの件数などを使います。ただし、本人の貢献が分からない数字だけを書くのではなく、自分が担当した範囲を明確にしてください。
「売上を大幅に増やした」のような表現は、具体性が不足します。「月間の新規契約を平均5件から8件に増やした」など、比較の基準と期間が分かると伝わりやすくなります。
5. スキルは応募先で使えるものを優先する
スキル欄には、応募先の仕事で生かせる知識や技術を優先して書きます。すべての経験を同じ比重で並べるのではなく、求人の仕事内容や応募条件に関連するものを上の方に配置します。
職種別の例は次のとおりです。
| 職種 | 記載しやすいスキル |
|---|---|
| 営業 | 提案営業、新規開拓、既存顧客管理、商談、見積作成、顧客折衝 |
| 事務 | 資料作成、請求処理、データ管理、電話対応、社内調整、Excel操作 |
| 販売・接客 | 接客、商品説明、売場づくり、在庫管理、スタッフ教育、クレーム対応 |
| IT・Web | 使用言語、担当工程、開発環境、テスト、運用保守、プロジェクト管理 |
| 製造 | 担当工程、使用設備、品質管理、安全管理、改善活動、資格 |
「コミュニケーション能力がある」とだけ書くよりも、「顧客の要望を聞き取り、社内の開発担当と調整して提案内容をまとめた」のように、実際の行動で示す方が伝わります。
6. 資格は取得時期やレベルも確認する
資格を書くときは、資格名だけでなく、取得年月や、必要に応じて級・スコアなども記載します。応募先の仕事に関係する資格を優先し、取得予定の場合は「取得予定」と明記して、取得済みと混同されないようにします。
業務で使ったソフトやツールも、実際の使用経験があれば書けます。ただし、少し触れた程度のものを習熟しているように表現しないことが大切です。
7. 自己PRは経験を応募先でどう生かすかを書く
自己PRでは、自分の強みを述べるだけで終わらせず、その強みが分かる経験と、入社後に生かせる場面まで書きます。
基本的な構成は次のとおりです。
- 自分の強みを示す
- 強みが表れた具体的な経験を書く
- 応募先でどのように生かすかを述べる
例として、「調整力」をアピールする場合は、次のように書けます。
「私の強みは、関係者の意見を整理し、業務を前に進める調整力です。前職では、営業と制作担当の間に入り、顧客の要望と納期を整理して共有することで、修正内容の行き違いを減らしました。入社後も、社内外の関係者と情報をそろえながら、円滑な業務進行に貢献したいと考えています。」
未経験の職種へ転職する場合に書くこと
未経験職種に応募する場合は、職種名が同じでなくても生かせる経験を探して書きます。たとえば、販売職の接客経験は営業の顧客対応に、事務職の進捗管理は営業事務やプロジェクト管理に生かせる可能性があります。
次の3点を整理すると、経験のつながりを説明しやすくなります。
- これまでの仕事で身につけた共通スキル
- 応募職種に関係する経験や学習
- 未経験の部分を補うために取り組んでいること
「未経験ですが頑張ります」だけでは、準備の内容が伝わりません。資格取得の勉強、実務に関係する講座、個人での制作や練習など、実際に行っていることがあれば具体的に書きます。
職務経歴書を書くときの注意点
職務経歴書は、情報量が多ければよいわけではありません。次の点を確認すると、読み手が経験を把握しやすくなります。
- 応募先の業務と関係の深い経験を優先する
- 業務内容と実績を分けて整理する
- 数字には期間や対象を添える
- 実際には担当していない業務を含めない
- 守秘義務のある情報や個人情報を書かない
- 誤字脱字や在籍期間の間違いがないか確認する
- 職務経歴書と履歴書で経歴や資格の内容をそろえる
特に、実績をよく見せるために数字を変えたり、チームの成果を自分だけの成果として書いたりするのは避けます。「チームで達成」「担当業務として実施」など、自分の役割が正確に分かる表現を使いましょう。
書く内容に迷ったときの整理方法
最初から文章にしようとせず、勤務先ごとに次の項目をメモすると整理しやすくなります。
- いつ、どの部署で働いたか
- 誰を対象に、何を提供していたか
- 自分が担当した業務は何か
- 困っていたことや目標は何か
- そのために自分が行ったことは何か
- 結果として何が変わったか
- 応募先で使えそうな知識やスキルは何か
メモした内容から、応募先の求人に関係するものを選び、職務要約、職務経歴、実績、自己PRの順に整えます。職務経歴書は一度作って終わりではなく、応募先の仕事内容に合わせて強調する経験を調整します。
職務経歴書には、勤務先と担当業務だけでなく、仕事上の工夫と結果まで書くのが基本です。まずは過去の業務を事実ベースで洗い出し、応募先で生かせる経験を選んで、具体的な行動と成果に結びつけてまとめましょう。







