退職届を提出するタイミングは、原則として転職先が決まってからがおすすめです。内定だけでなく、雇用条件や入社日まで確認してから退職を申し出ると、転職先が決まらないまま退職するリスクを抑えられます。ただし、心身の不調や職場環境などの事情がある場合は、転職先が未定でも退職を選ぶことはできます。
退職届は転職先が決まってから提出するのが基本
転職活動中は、退職届を急いで出さず、まず転職先の内定と労働条件を確認するのが安全です。退職届を提出すると、現在の会社を辞める手続きが進み、転職先が決まらなかった場合に収入が途切れる可能性があるためです。
「内定が出た」というだけでなく、次の項目を確認してから提出しましょう。
- 雇用形態が正社員、契約社員などのどれか
- 給与、賞与、勤務時間、勤務地などの労働条件
- 入社予定日
- 試用期間や契約期間の有無
- 内定取消しや入社条件に関する記載
労働条件は、求人票だけでなく、採用条件通知書や雇用契約書などの書面で確認することが大切です。入社日が決まっていない状態で退職日を先に確定すると、現在の会社と転職先の双方との調整が難しくなります。
提出する時期は「入社日」と「退職に必要な期間」から逆算する
転職先の入社日が決まったら、現在の会社の就業規則と引き継ぎに必要な期間を確認し、退職日から逆算して退職届を提出します。
- 転職先の入社日と労働条件を書面で確認する
- 現在の会社の就業規則で、退職の申出期限を確認する
- 上司に退職の意思と希望退職日を伝える
- 退職日と引き継ぎの予定を調整する
- 会社の指定形式があれば、それに従って退職届を提出する
たとえば、転職先の入社日が7月1日で、引き継ぎや有給休暇の取得に1か月程度必要なら、6月末を退職日とする前提で、5月中など早めに相談します。これは計算例であり、実際に必要な期間は業務内容や会社の規定によって異なります。
法律上は、無期雇用なら2週間前の申出が基本
期間の定めがない雇用契約の場合、民法上は、退職の申出から2週間が経過すると雇用契約が終了するのが基本です。根拠は、民法第627条です。
ただし、実際の退職では、就業規則に「退職希望日の1か月前までに申し出る」などの定めがあることがあります。法律上の扱いだけで判断せず、就業規則を確認し、引き継ぎに必要な期間も考えて早めに申し出るのが現実的です。
会社が退職を認めない場合でも、無期雇用か有期雇用かによって扱いが異なります。自己判断で出社をやめるのではなく、雇用契約書や就業規則を確認し、退職日と手続きの記録を残してください。
有期雇用契約は、契約期間の途中で辞められるとは限らない
契約社員など、あらかじめ契約期間が決まっている場合は、契約満了まで勤務する契約になっていることがあります。そのため、無期雇用のように「2週間前に伝えればいつでも退職できる」とは限りません。
契約期間の途中で退職できるかは、契約期間、退職理由、契約書の内容などによって変わります。転職先の入社日が決まっていても、まず現在の雇用契約書と就業規則を確認し、会社に相談しましょう。
なお、1年を超える有期労働契約については、一定の条件を満たす場合に、契約期間の初日から1年を経過した後はいつでも退職できるとする規定があります。対象や例外があるため、詳しくは労働基準法第137条を確認してください。
退職届を出す前に転職先へ確認したいこと
退職届を提出する前に、転職先へ「内定が確定しているか」「提示された条件で入社できるか」「入社日を調整できるか」を確認します。口頭の説明だけでなく、書面の内容と説明が一致しているかも見ておきましょう。
次のような状態なら、退職届の提出を急がないほうがよいでしょう。
- 採用担当者からの連絡が「選考通過」や「内定予定」にとどまっている
- 給与や勤務地などの条件がまだ決まっていない
- 入社日が未定である
- 雇用契約書や採用条件通知書を受け取っていない
- 現在の会社を辞めることが入社の前提なのか確認できていない
反対に、転職先の雇用条件と入社日が書面で確認でき、現在の会社の退職手続きに必要な期間も確保できるなら、退職の申出を進めやすい状態です。
転職先が決まっていなくても退職できる場合はある
転職先が未定でも、退職そのものが禁止されるわけではありません。仕事によって心身の健康を損ねている、ハラスメントが続いている、家族の事情で働き続けられないなど、転職先を決める前に退職を優先したほうがよい場合もあります。
ただし、退職後は給与がなくなるため、生活費や転職活動の期間を考える必要があります。退職前に、当面の生活費、健康保険や年金の切り替え、離職後の手続きなどを確認しておくと、退職後の負担を減らせます。
退職届を提出するタイミングの判断
通常は、転職先の内定、労働条件、入社日を確認してから、現在の会社の規定と引き継ぎ期間を踏まえて提出します。内定が曖昧な段階や入社日が未定の段階で提出するのは、収入が途切れるリスクがあるため慎重に判断しましょう。
まずは転職先から書面で条件を受け取り、現在の会社の就業規則で申出期限を確認してください。そのうえで、入社日に間に合う退職日を決め、上司に退職の意思を伝えるのが基本的な進め方です。







